期待は失望の母である。

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 万一、拙稿をお手に取られる方がいらっしゃったときのために、私が気づいた限りで、世に出てしまった誤植等を訂正いたします(内容が充実してきました……)。



2016年
●「沈黙による詐欺と情報収集義務(2)――フランス法の展開を題材として」早稲田法学92巻1号119頁以下
 *168頁注198・2行目
 【誤】この種を秘匿したとしても
 【正】この種の情報を秘匿したとしても

2017年
●『民法③債権総論 判例30!』(有斐閣)
 *下記のウェブページに訂正情報があります。
 http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641137776

2018年
● 「地上権設定契約の法的構成」(加藤雅信先生古稀記念論集)
 *26頁
 【誤】②については、後に(4)で論じる。
 【正】②については、後にで論じる。
 
● 法務省受託研究「各国の成年後見法制に関する調査研究」
 *http://www.moj.go.jp/kaikei/bunsho/kaikei03_00024.html にて公表
 *144頁
 【誤】準憲法的法律(loi quasi constitutionnelle)とも称される「人の権利及び自由に関する憲章」47条は、
 【正】準憲法的法律(loi quasi constitutionnelle)とも称される「人の権利及び自由に関する憲章」48条は、
 【誤】憲章47条の趣旨を受けたものとみることができる
 【正】憲章48条の趣旨を受けたものとみることができ
  *150頁
 【誤】保護委任は、公正証書によって作成されるか、または承認の面前で……
 【正】保護委任は、公正証書によって作成されるか、または証人の面前で……

● 民法理論の対話と創造研究会編『民法理論の対話と創造』
 *「表示を論ず」7頁2行目
 誤植というわけでもないのですが、単行本化にあたって諸先生方の敬称を復活させたにもかかわらず、「我妻」「曄道」と呼び捨てにしてしまいました。 なんだか申し訳ありません。

2020年
●民事判例20(2019年後期)
 *58頁タイトル(何をぼんやりしていたのか、実に哀しいことになりました)
 【誤】土地の譲受人による使用借主に対する建物収去明渡請求の権利濫用該当性と立退料の支払
 【正】土地の譲受人による使用借人に対する建物収去土地明渡請求の権利濫用該当性と立退料の支払

●「『契約とは何か』を考える」法学セミナー784号
 *36頁右段
 【誤】(543条1項5号も参照)
 【正】(542条1項5号も参照)

●「古い法学」判例時報2459号155頁
 【誤】2017年9月から2019年8までの間
 【正】2017年9月から2019年8月までの間
 2016年のフランス民法典改正においては、申込維持義務を認める立場は採用されなかったと理解しているのですが(v. Fr. CHÉNEDÉ, Le nouveau droit des obligations et des contrats. Consolidations - innovations - perspectives, 2e éd., Dalloz, no 122.102, p. 39)、そのことを示すために1115条を引いてしまいました。しかし、同条は、申込みの意思表示が到達する前の「取りやめ」に関する規定ですので、申込維持義務がない――より正確にいえば、申込みの撤回に対して契約の成立を主張することができない――ことの根拠として参照するのには不適切であったと思っております。むしろ、1116条1項(の反対解釈)と1116条2項を根拠とするのが適切であったかと思います。

2021年
●「行為能力」法学セミナー797号
 *74頁注33
 120条1項が定める「代理人」の取消権が、代理人に固有の権限なのか、それとも、本人が有する取消権を代理行使しているにすぎないのかという問題を設定して議論をしましたが、現行法の解釈としては、「同意をすることができる者」が取消権者に加えられている以上、120条1項に挙示されている者には固有の取消権があると考えるほうが素直であろうと反省いたしました。もっとも、それらの者が制限行為能力者がした法律行為を取り消すことができるのは、本人が取消権を有する限りで、それを行使する権限を与えられているからにすぎないのだと説明することは、なお可能であるようには思います。

●「意思表示の瑕疵――錯誤論を中心に」法学セミナー802号
 *82頁本文(2箇所)
 【誤】善意・無過失
 【正】悪意・有過失

2022年
●「代理」法学セミナー805号
 *81頁注18
 【誤】清水千尋「『他人の他の下にする行為』に関する一考察」上智21巻2・3号(1978年)
 【正】清水千尋「『他人の名の下にする行為』に関する一考察」上智21巻2・3号(1978年)

●「信義誠実の原則」法学セミナー806号
 *73頁注2
 最判昭和46年12月16日民集25巻9号1472頁に言及して、判決が、「信義則に照らして考察するときは……約旨に基づいて……鉱石を引き取るべき義務があった」と説示すると示しましたが、ここでの「約旨」は、買主の引取義務ではなく、売主の引渡義務にかかっていると読むべきものであろうと気づきました。実に軽率な読み違えであったと反省しております。
 *73頁本文(上記の点どころではなかった……)
 【誤】信義則を援用しつつ、売主の引取義務を認めた
 【正】信義則を援用しつつ、買主の引取義務を認めた 

●「債務不履行の救済」法学セミナー808号
 *84頁注20
 「567条2項が『売買の目的として特定したものに限る』(同条1項)と定めないことは」という点は、単なる勘違いです。さすがに厭になる……

●「契約の解除」法学セミナー811号
 *77頁注16
 BOISSONADE...は、tome IIです。

●「多数当事者の債権関係」法学セミナー812号
 *89頁本文、注25
 無権代理の本人が有する追認権は、「契約上の地位」に由来するものであろうと考えたのですが、正確さを欠く叙述であったと反省いたしました。厳密に考えれば、契約上の地位は、追認を経て本人に帰属するのですから、追認権それ自体は、いわば契約上の地位を帰属させることができる地位であって、契約上の地位に由来するとはいえないだろうと思います(無権代理がされると、追認をすることができるという地位が本人に発生するわけですが、その機序についてはいまだ十分に理解が及んでいません)。とはいえ、契約上の地位を帰属させることができる地位なるものは、追認によって帰属する契約上の地位と無関係に論じることはできないであろうと考えております。

●「さまざまな « civil »の間」法律時報94巻8号
 *CiNiiの「書誌事項」
 タイトル別名が「サマザマ ナ 《 civil 》 ノ アイダ」と表示されますが、「アイダ」ではなく「アワイ(アハヒ)」のつもりでした。
 それにしても、この紹介は要領を得なくて、慚愧に堪えません。とりわけ、あちこちを削った結果、「戦後民法学を支配した2つの思潮」(126頁)というのが何を指しているのかが皆目わからなくなっており、冷汗三斗の思いでした。いわゆる「主流」の民法学と、マルクス主義法学的な民法学とを想定しておりました。

●クリスティーヌ・モラン「脆弱な状況にある成年者のよりインクルーシブな保護に向けて」比較法学56巻2号27頁
 *著者名
 おそらく、ケベックでは「モリン」と読むのではないかと、後になって気づきました。以前に訳した「キュマン」教授も「カミン」と呼ばれていました。失策でした。

2023年
●「意思決定支援をめぐる議論にみる『意思』像」小賀野晶一先生古稀祝賀論集
 *54頁
 【誤】代理権濫用に準じた規律及ぼすことができるかが問題となろう。
 【正】代理権濫用に準じた規律及ぼすことができるかが問題となろう。
*59頁 *手許の原稿データには誤植はないのだけれどもなあ……
 【誤】このことから帰結として、後見人は、法定代理権を行使するための前提として、……
 【正】このことからの帰結として、後見人は、法定代理権を行使するための前提として、……

●「契約不適合責任」法学セミナー818号
 *87頁注30
 不適合物を履行として認容して受け取った場合を念頭において、引渡し後の滅失を理由とする追完請求を想定していますが、これはどうも不自然です。

●「役務提供型契約」法学セミナー820号
 *94頁
 「(b) 引渡し要する請負」のなかで、仕事完成後、引渡し前に目的物が滅失した事案を念頭において「追完請求権の限界」を論じていますが、引渡し未了なので562条が適用される余地はなく、これは「履行請求権の限界」とするのが正しいです。「追完は(社会通念上)不能となる」というのも、履行不能です。

●「無償契約」法学セミナー821号
 *91頁
 【誤】それでは、受贈者は、売主とまったく同様の義務を負うのか。この点については、受贈者も財産権移転義務を………
 【正】それでは、贈与者は、売主とまったく同様の義務を負うのか。この点については、贈与者も財産権移転義務を………
 *93頁注44
 【誤】651条1項は有償契約のみに適用されるとする主張も……
 【正】651条1項は無償契約のみに適用されるとする主張も……
 【誤】(同項2号を参照)
 【正】(同条2項2号を参照)

●「組合」法学セミナー822号
 *84頁
 【誤】しかるに、有償契約における等価性とは、給付と反対給付の等価性は、………
 【正】しかるに、有償契約における給付と反対給付の等価性は、………

●「給付に還元されない利益」法学セミナー823号
 *81頁注6
 【誤】大村敦志「判批(最判……
 【正】大村敦志「判批(大阪高判……
 *82頁
 【誤】出版者は、著作権者から著作物を利用する権限を取得するのに対して、その対価として報酬を得る
 【正】出版者は、著作権者から著作物を利用する権限を取得するのに対して、その対価として報酬を支払う

●「給付によらない契約の分類」法学セミナー824号
 *93頁
 契約解消の効力が否定される場合の例として、雇止めに関する規制(労働契約法19条)が挙げられていますが、これは契約の締結を拒絶することが制限される場合ですから、違うような気がします。確認すると、最初は解雇権濫用法理(同法16条)が例示されていたのですが(こちらは正しそう)、最後の校正で直した形跡がありました。いったい何を考えていたのでしょうか。深謀遠慮があったようですが、過去の自分に問いたいです。

2024年
●Themis (法学部報)43号
 *7頁 こりゃ参った……
 【誤】直系尊属
 【正】上の世代の親族
 *この問題については、広中俊雄「尊属の概念」同『民事法の諸問題』(創文社、1994年)197頁を参照。

●「親権に基づく任意後見契約の締結」早稲田法学99巻3号573頁
 *601頁注61 再校でトルと指示したはずなのになあ……
 【誤】B. MUGDAN, Die Gesamten Materialien zum Bürgerlichen Gesetzbuch für das. Deutsche Reich
 【正】B. MUGDAN, Die Gesamten Materialien zum Bürgerlichen Gesetzbuch für das Deutsche Reich


 

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